輸出ビジネスを始める場合、AmazonやeBayといったプラットフォームで売るのか、もしくは、Shopifyなどを利用した独自サイトで売るのか、ということで迷う人もいます。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、売り方・売る場所は状況に合わせて選ぶ必要があります。
ただその前に、そもそもAmazonやeBayですでに売られている商品を、Shopifyで売っても売れるのか、という疑問を抱く人もいます。
もちろん、AmazonやeBayといったプラットフォームで販売されている商品であっても、Shopifyの独自サイトで売ることが出来ます。今回はその理由について紹介します。
Amazonのシェアは圧倒的だが独占ではない
アメリカのEC市場におけるアマゾンのシェアは圧倒的ではあり、近年は年々上昇しています。それでも、50%には達しておらず、40%程度と言われています。
小売業界というのは、元々単独企業が圧倒的なシェアを取るのが難しい業界ではありました。その中で40%を取れるというのはかなり凄いことで、2位のウォルマートのシェアが10%にも達していないことを考えれば、圧倒的巨人であることには間違いありません。
ただ、例えば検索におけるGoogleのような、「独占的」な存在ではない、と言うことです。ちなみに、eBayのシェアは数%程度です。
つまり、半数以上の人はAmazon以外で買い物をしており、また2位以下のシェアはかなり小さいため、多くのサイトが競合し合っている状況と言えます。Amazonをあえて嫌って使わないと言う人も少なくない割合で存在します。
その中で選択肢を示せれば、選んで貰える可能性はある、と言うことです。
日本からの商品は探しやすいとは言えない
Amazon.comで検索をしてみれば分かりますが、日本からの商品は購入しやすい状況とは言えません。
例えばシリーズ物の場合、US商品であれば全て揃っていることがほとんどですが、日本からの商品は全て揃っていない場合も良くあります。また出品されている商品の名称も、シリーズ物であってもそれぞれで異なったりしており、検索で見つけること自体に手間がかかったりもします。
中にはタイトルが日本語のままになっているものもあり、説明文も機械翻訳で何かよく分からない場合もあります。型番商品であっても、実際に正しい商品かどうかが判別できないこともあるのです。
AmazonやeBay自体が日本の商品を販売するために設計されているわけでは無いため、どうしても日本商品だけに絞ると、探しづらく使いづらい、という状況があります。
複数のセラーから購入しないといけない
またたとえ欲しい商品が揃っていても、複数の商品を購入する場合、同じセラーから購入できるとは限りません。それぞれの商品を別々のセラーから購入することになり、余分な手間がかかります。
セラーの信頼度は評価で確認できるとはいえ、いくつものセラーから購入することは心配な場合もあります。配送に時間がかかる上に、複数のセラーから商品が届くのを待つことは避けたい考える人も少なくありません。
Amazonでは、販売者が誰かは気にせず購入する人も多いことは事実です。特にFBAを利用する場合はそうです。ただ、日本の商品でFBAを利用している物はかなり数が限られており、やはり、マーケットプレイス出品者から購入する必要がどうしても出てきます。
マーケットプレイス商品の場合は、送料もセラー毎によって設定が違ったりします。総額が分かりづらい、と言う状況に加えて、複数セラーから購入することで余分な送料か発生することもあります。
さらに継続して定期的に購入するような商品の場合でも、必ずしも同じセラーから毎回購入できるとは限りません。出品を長期間継続できるセラーは多くなく、また継続していたとしても、同じ商品を取り扱っているとも限りません。これはeBayにおいても似たような状況があります。
適正な価格付けが出来ていない
Amazonで出品していると、どうしても他の出品者につられて商品価格を変動させてしまいます。
これは、どんどん安くなる場合だけで無く、他に出品者がいなければかなりつり上げた高価格にしてしまう場合もあります。
需要があるにもかかわらず、価格が適正で無いために購入されない、と言うことも良くあります。あまりにも高額すぎれば買いたくても買えませんし、安すぎても怪しまれてしまいます。
いくらが適正な価格かを知るためには、ある程度経験も必要なのですが、適正な価格付けがしづらいと言うことは、販売機会や利益を逃していると言うことにもなります。
アメリカ以外からの購入者も多い
越境ECをしていれば分かりますが、英語サイトでアメリカ向けをメインとしていても、アメリカ以外からの購入者もかなりの数が存在します。
Amazonの場合でも、国毎にサイトがあるにもかかわらず、Amazon.comサイトで購入する米国以外の購入者はそれなりにいます。それでもやはり、自国にAmazonが進出していれば自国のサイトを利用することが多いはずです。
越境ECのターゲットは、いわば全世界であるため、AmazonやeBayに同じ商品があったとしても、そもそもそこで購入することがないターゲットが存在するのです。
戦略を決めて勝負が出来る
他にも売れる理由はあるのですが、ここまでで見ただけでも、日本商品を必ずしも購入しやすいとは限らない状況が、AmazonやeBayで発生していることが分かります。
そこを狙って戦略を練ることで、Shopify等による独自ショップでも十分に勝負が出来るのです。
例えば、特定のカテゴリやジャンルに絞った専門店化はその1つです。いろいろな商材を取り扱うとどうしても商品が探しづらくなりますが、ある程度絞り込むことで、その商材に特化したサイト構成とすることが出来ます。
定期購入品やシリーズ物の場合でも、そういう専門店であれば継続した顧客も獲得しやすくなります。
Shopifyでショップを作る場合、AmazonやeBayのような総合店を狙う必要はありませんし、大量のリソースがないのであれば、そうすべきではありません。
しっかりと売れるジャンルを見極めて、顧客に合わせたショップを作ることで、十分に売れる隙間は残されているのです。
固定観念にとらわれない
AmazonやeBayで出品されている商品を、自分が独自サイトで扱ったとしても売れないのでは無いか、と考えてしまう人は、恐らく自らも普段の買い物でAmazonなどの大手ECモールを使っていることが多いはずです。
もしかすると、どこの誰が運営しているかも分からないような小さなネットショップで購入することは、ほとんど無いかも知れません。
つまり、自らのいつもの行動を元に考えてしまうため、売る立場になったときにもその固定観念が先に出てきてしまい、売れるかどうか不安になるのです。
大切なことは自分の経験が全てでは無いことを知ることです。Shopify等を使った独自サイト、自社サイトによる越境ECで成果を出している人は、数多く存在します。
もし不安があるのであれば、その様な人に先ずは専門家に相談してみて成功体験を聞いてみるのも、固定観念を打ち破る1つの方法としては良いかもしれません。
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