アマゾン輸出をやっていると避けては通れないのが、「アカウントのサスペンド(アカウントの停止)」です。
「サスペンド」されるのは、もちろんアマゾンの規約に違反したことが原因ではあるのですが、これは意図していなくとも、どれだけ注意していたとしても、起こりうることです。
また特に初期のアカウントでは、ちょっとした注意不足によるミスでも簡単にサスペンドになったりします。
今回は、そんなアマゾンアカウントがサスペンドになったときに「やってはいけないこと」を、10個紹介します。
特に初心者の人はミスしやすい事も多いため、注意してください。
1. パニックになること

アマゾンのサスペンドメールを受信すると、誰もがショックを受けるでしょう。
初心者であればもちろんですが、実践経験が長く、これまでもサスペンドを乗り越えてきた人であっても同じです。特に売上金が大きくなっており、それがアマゾン内に留保されることになれば、大きな衝撃を受けるかも知れません。
しかし、先ずは「落ち着く」ことが重要です。
パニックになって行動してしまうと、結果として解除できたサスペンドであっても、初期対応を間違ったために解除できなくなることもあります。
まず第一にすることは、落ち着くことです。そしてサスペンドになった原因を確認していきましょう。
2. すぐにアマゾンに連絡すること
まず「落ち着く」ことと述べましたが、すぐにアマゾンにアピールの連絡をすることも避けた方が良いです。
もちろん、サスペンドの間は売上げも発生しませんし、売上金の受け取りも出来ないため、対応自体はできる限り早くすべきです。
ただ、アピールの期限を意識する必要ももちろんありますが、返信期限が24時間以内というようなことはまずありません。アピールしたとしても、通常は1回でサスペンドが解除されることも少ないため、数週間から1カ月程度の長期戦を覚悟することになります。
そのためにも、先ずは1回目のアピール文はしっかりと準備することが大切です。
早くサスペンドを解除したいため、何が何でもまずは連絡して何とかしたい、という気持ちも分かりますが、あせっても良いことはありません。
同様の事例をWebなどでも調べた上で、自分にとっての原因は何かをしっかり分析し、そのための対処策は何かを考える。そして、アマゾンから求められている回答は何かをしっかりと確認し、ビジネスとして問題の無いアピール文を用意していきましょう。
またアピール文を1度作っても、少し時間をおいてから見直してみることも効果的です。1度目は焦って書いたために抜けていることや余計な文章があった、と言うこともよくあります。
少し時間をおくことで冷静になれ、より客観的に分析することも出来ます。
3. サスペンドを放置すること

2とは逆のパターンになるかも知れませんが、初心者の方の中には、サスペンドの連絡があっても対応策が分からず、そのまま放置してしまう人もいるようです。
私の知り合いにもこのような方がいましたので、具体例として話します。仮にこの人をAさんとします。
Aさんは、出品を始めてすぐの時に、商品の価格を間違って登録してしまい、予期せず大量の注文を受けてしまいました。このようなときに経験者であれば簡単にキャンセルはしないと思いますが、まったくの初心者であったAさんは深く考えずに注文を全てキャンセルしてしまいました。
もちろんこんなことをすればアカウントヘルスがひどく傷つくことは言うまでも無く、すぐにアカウントがサスペンドされてしまいました。
その後Aさんは、何をしたら良いか分からず、サスペンド状態のままアカウントを放置してしまいました。たまたま私と話す機会があり、このサスペンドを解除できないかな、と言う相談を受けたのですが、その時点で既にサスペンドされてから半年以上が経過していました。
こうなると、解除することは容易ではありませんし、解除できないことも多いです。
時間がたつとサスペンドの解除が出来なくなるわけではありませんが、初期にしっかりと対処することと比べれば、難易度が格段に上がることは言うまでもありません。
どうすれば良いか分からないからと言って、そのまま放置することは決して行なってはいけません。どうしても対応策が分からない場合は、専門家に相談するなど、他の人に聞いてでも行動してください。
4.新しいアカウントを作ること
これも初心者の方にあるのですが、アカウントがサスペンドされたからと言って、新しいアカウントを作ってしまう人がいます。
アマゾンは基本的には1人で複数のアカウントを保持することは出来ません。そのため、1つのアカウントがサスペンドされたまま、同じ人が新しいアカウントを作ったとしても、そのアカウントもサスペンドされてしまうだけです。
IPアドレスを変えたり、パソコンを変えたりと、小細工をしたとしても、結局はばれてしまい無駄に終わることが多いです。ましてや初心者であればなおさらでしょう。
さらには複数アカウントを作ったことで、最初のアカウントのサスペンド解除の難易度も上がってしまい、解除できなくなる可能性が高くなってしまいます。
1つのアカウントがサスペンドされたからと言って、決して新しいアカウントを作ってはいけません。
5. オーダーの処理を放置すること
アカウントがサスペンドとなると、売上金の入金も保留とされ、アマゾンで販売したお金を受け取ることが出来ません。
そのため、サスペンドの時点で未処理になっているオーダーを処理したとしても、その売上金がいつ受けれるかは不透明です。
その懸念から、サスペンドになった時点でオーダーの処理を放置してしまう人もいるようです。
ただこれはアカウントヘルスを悪化させてしまいます。サスペンド解除に大切なことは、アカウントヘルスをそれ以上悪化させないことです。
オーダーを放置してアカウントの状態をさらに悪化させることは、どうしても避けないといけません。むしろ、通常時よりもオーダーの処理は丁寧かつ迅速に行ない、サスペンドが解除されるまでは悪い評価や発送遅延などは絶対に起こさないように気をつける必要があります。
6. アマゾンを責めること
アカウントのサスペンド理由には、一見すると理不尽に思えることもあります。
自分には心当たりがないことや、こんなこと気をつけられるはずがない、と思えるようなことが理由の場合もあります。
そんな時、自分には責任がないとして、アマゾンを責めるような文章でアピールをしてしまう人がいます。
もちろん、アマゾンの完全なエラーでサスペンドとなることもまれにですが実際にはあります。ですが、そんな場合でもアマゾンを責めるような対応を取ってはいけません。
アマゾンというプラットフォームで販売させてもらっている以上、その中での絶対者はアマゾンです。
理不尽な理由に思えるサスペンドであっても、ほとんどの場合、運営者側に何らかの理由あるものです。
どんなにアマゾンを責めたい気持ちがあったとしても、先ずは自分たちに責任が何かないかを検討し、その点をアピールしていくようにしましょう。
それでもやはりアマゾン側にどうしても責任があると思えるような場合は、決して相手を責めるのでは無く、自分たちが行なっている対応を冷静に述べた上で、他にこのような可能性もあるとして指摘する方が良いでしょう。
7. 第三者の責任とすること

アマゾンの責任とすることと似ていることですが、第三者の責任にしてもいけません。
例えば、商品の仕入れ先や、クレームを入れた購入者などが原因でサスペンドになる場合もあるかも知れません。
そうであったとしても、結局は全ての責任はその商品を販売していた自分にあるのです。
また表面的には第三者に責任があるように思えたとしても、結局は自分の行いが根本的な原因となっていることは、よくあることです。
アマゾンへのアピール文の中でも、誰か他の人の責任であり、自分は無関係なのです、と主張したくなることがあるかも知れません。
ただその様な場合でも、そもそもの原因は第三者にあることを述べるまではまだあり得るかも知れませんが、その対処策はしっかりと自分で行なうことをアピールする必要があります。
またその様に自分の責任として対処策を考えることで、今後同じような事態を繰り返さないように準備することも出来ます。
サスペンドになったら、先ずは誰かの責任とすること無く、自分の責任で起こったこととして理解し、自分の責任で解決策を示していくようにしましょう。
8. 調査せずにアピールすること
サスペンドになった場合、特に初心者であれば、先ずは同様の過去の事例をWeb等で調べてみましょう。
必要があれば、アマゾンのセラーフォーラムで質問しても良いかもしれません。
ほとんどの場合は、同じような事例でサスペンドになった人が見つかるはずです。そして、その人たちがどの様に対処したのかの情報も得られることでしょう。
解除方法までは分からなかったとしても、アピール文の書き方についての知識を得ることが出来るかも知れません。
とにかく、何の下調べも無く、自分の考えだけでアピール文を作ることは避けてください。まずは下調べを入念した上で、そこから、自分はどのような対処をすれば良いのか、しっかりと考えていきましょう。
またサスペンドは1回のアピールで解除されないことも多いです。その場合は、1回目のアピールに対して、さらにアマゾンから突っ込みが入った上で、2回目のアピールをすることになります。
その様な流れも想定しながら、対処策まで含めたしっかりとしたアピール文を作っていく必要があります。
9. アピール文を短期間で何度も送ること
アマゾンにアピール文を送っても、すぐに返答が来るとは限りません。
アピールの送信ページには●●時間以内に返事があると表示されていたとしても、それ以上時間がかかることは良くあります。
1日~2日で返事が来ないからと言って、何度もアピール文を続けて送ってはいけません。
サスペンドの理由にもよりますが、アマゾン側にも確認に時間がかかる場合もあるため、ある程度の期間は待つ必要があります。
1~2週間ぐらい待ってもそれでも返事が来ない場合は、今度は別の連絡方法で連絡できないかなどを検討してみましょう。
またどうしても返事が無く2回目の連絡をしなければいけない場合も、初回とは内容を変えて連絡するようにしましょう。
10. 非ビジネス的・非具体的なアピール文を送ること
副業や個人で販売をしている場合であっても、アマゾンで商品を売るという行為は「商売」をしていることとなります。つまりは「ビジネス」をしていることとなります。
そのため、アマゾンのアピール文も「ビジネス」的な書き方をする必要があります。
このことを気にかけず、「申し訳ございません。今後同様のミスがないように気をつけます」といったような、非ビジネス的な書き方で、しかも、具体的な内容も無くアピール文を作成してしまう人もいます。
加えて、アマゾン輸出では多くの場合「英語」でアピールすることになるでしょう。この場合、英語力に自信が無い人が書く英語は、まるで「小学生」かのような印象を与えてしまいます。また文法や単語の間違いも避けなければいけません。
間違いが多い英文であれば、内容ではなくその書き方によってサスペンドが解除されなくなります。英語力に自信が無ければ、アピール文の翻訳だけでもプロに依頼した方が良いでしょう。
さらに最近はChatGPTなどのAIツールを使えば、ビジネス文章として校正や英訳をしてくれるため、文章力に自信が無い場合は、こういったツールを使ってみるのも良いでしょう。
サスペンドは解除できる
アマゾンのアカウントがサスペンドになったときに行なってはいけない10個の行動を見てきました。
大切なことは、多くの場合はサスペンドは解除できる、と言うことを覚えておくことです。
もちろん、不正レビューといった不正行為を行なっていない、と言うことは大前提ですが、気をつけてアカウントを運営しながら、それでも受けてしまうサスペンドは、正しく対処すれば解除が出来ます。
そのことを覚えておき、最初に書いたとおり、先ずは落ち着いて正しい対処方法をしていくように心がけましょう。
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